2011/3/2

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ベルギー流通大手のデレーズ、セルビア同業の半数株取得へ

この記事の要約

ベルギーの小売大手デレーズがセルビアの複合企業、デルタ・ホールディングから流通子会社の半数株を近く取得する見通しだ。英『フィナンシャル・タイムズ』(オンライン版)が23日付で報じた。デレーズはすでにギリシャとルーマニアに […]

ベルギーの小売大手デレーズがセルビアの複合企業、デルタ・ホールディングから流通子会社の半数株を近く取得する見通しだ。英『フィナンシャル・タイムズ』(オンライン版)が23日付で報じた。デレーズはすでにギリシャとルーマニアに進出しており、今回の取引で南東欧市場に大きな地歩を築くことになる。

\

デルタは、セルビア本国のほか、モンテネグロ、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリアでスーパーマーケットの「Maxi」とディスカウンター「Tempo」を展開する。年商27億ユーロで、10億ユーロの利益を稼ぎ出している。

\

デルタのセルビア市場シェアは30%と、クロアチア系のAgrokor(シェア9%)、スロベニア系のメルカトル(同9%)を引き離してダントツのトップ。ベオグラードの調査会社、イースタン・ユーロップ・エコノミクスによると、競争の欠如で流通業界の利ザヤは大きい。しかし、欧州連合(EU)との通商協定などを基盤に今後、貿易が促進され、次第に競争も激しくなると見込まれる。

\

デルタのミシュコヴィッチ社長は先月、流通事業を売却してリンゴなどの農産物生産・卸事業に投資する方針を明らかにしていた。デレーズへの売却後も株式の50%を保有するが、経営権はデレーズに譲渡する。また、3年後をめどに残る保有株も手放す方向だ。

\

旧ユーゴ連邦諸国の小売市場は開拓が進んでおらず、大きな成長の余地がある。ウニクレディト銀行によると、セルビアの人口1人当たりの国内総生産は4,350ユーロとEU平均の18%にとどまる。人口1,000人当たりの小売面積は25平方メートルでEU平均の10%以下となっており、国民の収入が増えれば需要は拡大するとみられている。

\