2011/3/2

チェコ・スロバキア

チェコ電力最大手CEZ、2010年12月期9%減益

この記事の要約

チェコ電力最大手で国営のCEZが2月24日発表した2010年12月期の純利益は前期比9%減の471億5,800万コルナに落ち込んだ。減益の理由として同社は、金融危機の影響がまだ残っていることを挙げた。売上高は1%増の1, […]

チェコ電力最大手で国営のCEZが2月24日発表した2010年12月期の純利益は前期比9%減の471億5,800万コルナに落ち込んだ。減益の理由として同社は、金融危機の影響がまだ残っていることを挙げた。売上高は1%増の1,988億4,800万コルナ、営業利益(EBITDA)は2%減の890億9,000万コルナ。国内発電量は4%増の62.7テラワット時、国外発電量は5.2テラワット時だった。

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CEZは財務強化に向けた5カ年計画「ニュービジョン」の一環として、業務の効率化とコスト削減を目指すことを明らかにした。チェコを中心に3,000億コルナを投じ、◇既存発電所の改修◇原子力エネルギーの開発◇発電所の操業体制の最適化――などを進めていく。同時にコスト削減・賃金凍結を実施する。

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国外事業については投資基準を厳格化し、業績が基準を満たさなければ撤退する方向だ。先ごろは、トルコAkenerjiとの合弁事業の資本を手放す可能性があることを明らかにしている。

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2010年の国内電力消費(速報値)は前年比で3.8%増加した。天候の影響を除いた調整値でも2.4%増加した。

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■今期も減益を予想

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今期の営業利益は848億コルナ、純益は401億コルナに縮小する見通し。理由としては、(1)電力販売価格の低下(2)為替相場が流動的(3)二酸化炭素排出税の導入(4)太陽光発電所の売上に対する26%の源泉課税の導入――を挙げた。

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(4)はチェコ政府が昨年12月に導入したもの。太陽光発電には固定買い取り価格(フィードインタリフ)が適用されているため、発電量に応じて固定価格の26%が徴収されることとなる。(1CZK=4.66JPY)

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