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2011/7/27

経済産業情報

ソーラー発電量の予測ソフトを開発、蓄電などより効率的で低コスト

この記事の要約

「ザールブリュッケンでは今日の午前中は快晴が続くので、洗濯機や食洗機などはこの時間帯に利用するとよいでしょう。昼過ぎからは雲の通過に伴い発電量が大きく上下しますので、発電所では注意が必要です」――。こんな天気予報ならぬ電 […]

「ザールブリュッケンでは今日の午前中は快晴が続くので、洗濯機や食洗機などはこの時間帯に利用するとよいでしょう。昼過ぎからは雲の通過に伴い発電量が大きく上下しますので、発電所では注意が必要です」――。こんな天気予報ならぬ電気予報が近い将来、実現しそうだ。ザールラント大学を中心とする研究チームはソーラー発電量を地域レベルで予測するソフトウエアを開発。同ソフトの活用により電力会社がより効率的に発電計画を立てられるようになると期待している。

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太陽光発電は気象条件によって発電量が大きく左右され、供給が安定しないという問題がある。この欠点を補うため、電力供給過剰時には一時的に蓄電または別のエネルギーに変換する技術に関心が寄せられているが、蓄電技術は開発や設置にコストと手間がかかる。ザールラント大学高信頼性システム講座とズルツバッハ市営電力会社は「発電量が多くなる時間帯があらかじめ分かっていれば、電力生産・消費計画が立てやすい。蓄電よりその場で使いきるほうが効率が高い」との視点に立ち、予報システムの開発に着手。独気象局が発表する日射量、雨雲の動き(レーダー画像)などの気象データと、ズルツバッハ市営電力会社の送電網に供給されたソーラー発電量を元に独自の発電量予測モデルを作り上げた。ソフトの制作はLuxea社が担当した。

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