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2012/7/18

企業情報

Muenchener Rueck―銀行事業参入を検討―

この記事の要約

再保険最大手のMuenchener Rueck(ミュンヘン)が銀行事業への参入を検討している。欧州債務危機の影響で資金運用が難しくなっているためだ。同社のイェルク・シュナイダー財務担当取締役が経済紙『ファイナンシャル・タ […]

再保険最大手のMuenchener Rueck(ミュンヘン)が銀行事業への参入を検討している。欧州債務危機の影響で資金運用が難しくなっているためだ。同社のイェルク・シュナイダー財務担当取締役が経済紙『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版)』に対し明らかにした。

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保険会社は法律の定めにより、リスクの低い資金運用を義務づけられている。その一方で、生保顧客に対し一定水準の利回りを約束しているため、運用である程度の実績を上げなければならない。同取締役によると、元受け保険子会社Ergoでは顧客への約束利回りが3.4%に上るのに対し、現在の運用利回りは平均で約3%弱の水準にとどまっている。

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これまでは国債投資で利回りを確保できたが、債務危機の発生後は状況が一変。南欧諸国の国債はリスクが大きいため手を控えざるを得ず、安全なドイツ国債などは利回りが低すぎるというジレンマに陥っている。以前であれば比較的安全だった劣後債への投資も金融危機の発生後は見合わせざるを得ないという。

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同社はこうした事情を受けて、企業向け融資事業への参入を検討している。融資事業は法律上、保険事業と違いがないため、銀行免許を新規に取得する必要はないとしている。

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