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2013/1/9

企業情報

Audi AG―アプリ活用のショールームを大都市で展開―

この記事の要約

高級車大手の独Audi(インゴルシュタット)は新しいタイプのショールーム「Audi-City」を大都市の中心部に設置していく。郊外にある従来型のディーラーだけでは顧客層を十分に掘り起こせなくなっている現状に対応することが […]

高級車大手の独Audi(インゴルシュタット)は新しいタイプのショールーム「Audi-City」を大都市の中心部に設置していく。郊外にある従来型のディーラーだけでは顧客層を十分に掘り起こせなくなっている現状に対応することが狙い。すでにロンドンとドバイに開設しており、2015年までに20カ所へと拡大していく計画だ。経済紙『ハンデルスブラット』が3日付で報じた。

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ロンドンのAudi-Cityは高級ブティックなどが立ち並ぶピカデリー通りに開設した。潜在的な顧客が買い物ついでにふらっと立ち寄ることを狙っている。

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ショールームに入るとアドバイザーが接客。顧客の要望を聞きながら専用アプリ搭載のタブレットPC上でモデルに装備を加えてゆき、顧客が求める「希望の車」をバーチャルに作成する(例えばオフロード車「Q3」では装備のバリエーションにより300万種類以上の車を作成できる)。バーチャル作成のモデルをショールーム内の壁に投影するサービスも提供している。購入を強く勧めるようなことは一切、行わない。顧客の平均滞在時間は1時間という。

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顧客が購入に意欲を示した場合は地下フロアに案内し、販売担当者にバトンタッチする。希望すれば試乗サービスも提供する。

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ショールームに入る顧客の9割はAudi車に特に大きな関心を持ってはいないが、実際に購入した顧客はオプション装備に同社平均以上の額を投じるという。

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Audiが大都市の中心部に新タイプのショールームを開設した背景には◇モデルの種類が増えた結果、それに見合った展示面積を確保しなければならないが、それは容易でない◇郊外のディーラー店に自ら出向く顧客が大都市で少なくなっている――という事情がある。こうした問題に対応するため、競合のDaimler、BMWもタブレットPCで幅広いバリエーションのモデルを表示できるアプリをすでに開発した。

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