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2014/3/12

企業情報

Henkel AG & Co. KGaA―「ロシア・ウクライナからの撤退なし」=社長―

この記事の要約

独洗剤大手Henkelのカスパー・ロールシュテート社長は4日、本社所在地デュッセルドルフの経済記者クラブで講演し、情勢が緊迫するロシアとウクライナからの事業撤退はあり得ないとの立場を明らかにした。同社は新興国事業の強化を […]

独洗剤大手Henkelのカスパー・ロールシュテート社長は4日、本社所在地デュッセルドルフの経済記者クラブで講演し、情勢が緊迫するロシアとウクライナからの事業撤退はあり得ないとの立場を明らかにした。同社は新興国事業の強化を通して成長を加速する戦略を打ち出しており、問題が起った国からその都度撤退していたのでは戦略が成り立たないため。

Henkelは昨年3月、売上高を2012年の165億1,000万ユーロから16年までに200億ユーロへと拡大する目標を打ち出した。売り上げに占める新興国事業の割合は12年12月期の43%から50%に高めるとしている。

ロシアは同社にとって4番目に大きな市場で、現地従業員数は2,500人に上る。ウクライナでも1,000人を雇用し、複数の工場を持つ。現時点でクリミア問題の影響は受けていないものの、長期化すればしわ寄せを受けるとみている。

ロールシュテート社長は「我々は変動の激しい世界に生きており、それに慣れなければならない」と発言。そのうえで、「ロシアとウクライナの政情不安定を理由に撤退し、3年したら戻ってくるなどという風にはいかない」との立場を示した。新興国では先進国のような政治・社会の安定を期待できないとの認識が根底にある。