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2014/7/2

経済産業情報

小荷物大手4社が共同の宅配ボックス提供へ 独市場最大手DHL追撃

この記事の要約

DHL(ドイツポスト)の競合であるGLS、DPD、ヘルメス、UPSの配便大手4社は、独自の宅配ボックスを共同で市場投入する計画だ。宅配ボックスを先行導入した独市場最大手のDHLが競合による同ボックス利用を拒否しているため […]

DHL(ドイツポスト)の競合であるGLS、DPD、ヘルメス、UPSの配便大手4社は、独自の宅配ボックスを共同で市場投入する計画だ。宅配ボックスを先行導入した独市場最大手のDHLが競合による同ボックス利用を拒否しているため。4社は国内のすべての宅配便事業者がサービスを利用できるようにする考えで、7月初めに4社の代表が集まって具体的な計画を策定。年内のサービス導入を目指す。6月30日付『ヴェルト』紙が報じた。

DHLは5月、個人住宅向け宅配ボックス「Paketkasten」の全国販売を開始した。ネット通販市場の拡大で宅配便需要が増加し続けていることに対応したもので、小包の受け取りだけでなく発送(集荷サービス)もできる。不在時でも小包を受け渡しできるためユーザーの利便性が高いうえ、再配達にかかる手間とコストも削減できる。独自の無線チップを利用してボックスを開閉する仕組みを採用しており、DHL以外の宅配業者は利用できない。

ドイツ国内の2013年の小包・荷物の取扱個数は26億6,000万個となり、前年に比べ1億個増加した。けん引役はネット通販で、13年の同市場規模は20%増の485億ユーロに拡大している。

オンライン通販の利用者は返品率が高く、ヴェルト紙によると、ネット通販業者に返品された小包は2億5,000万個に達し、小包取扱個数の押し上げ要因になっている。簡単・快適に荷物の受け渡しができるシステムを求める声はネットショップの運営者・利用者の間でともに高まっており、このニーズへの対応が遅れればDHLに顧客を奪われる恐れがある。