2011/2/16

ロシア

トヨタ、ウラジオストクで乗用車生産

この記事の要約

トヨタ自動車がロシア極東での乗用車生産を計画している。複数メディアが10日報じたところによると、三井物産とロシアの自動車メーカー、ソレルスと共同で2012年をめどにウラジオストクで生産を開始する見通し。成長市場のロシアで […]

トヨタ自動車がロシア極東での乗用車生産を計画している。複数メディアが10日報じたところによると、三井物産とロシアの自動車メーカー、ソレルスと共同で2012年をめどにウラジオストクで生産を開始する見通し。成長市場のロシアで生産体制を強化し、同国での販売拡大を狙う方針だ。

\

トヨタが部品と生産技術を供与し、三井物産とソレルスの合弁会社がソレルスのウラジオストク工場で、年3万台を組み立てる計画。SUV(スポーツ用多目的車)を生産する可能性が高いという。

\

ロシアの新車販売市場は経済危機後の低迷から回復し、昨年の販売台数は前年比30%増の191万573台(乗用車および小型商用車)に拡大した。今後も安定した成長が期待できるため、世界の主要自動車メーカーが同国での生産拡大を進めている。最近ではダイムラーとゼネラル・モーターズ(GM)がロシア同業GAZと共同生産で合意した。

\

\

■ロシア極東での生産、日本メーカーで初めて

\

\

トヨタは現在、07年に進出したサンクトペテルブルクで、中型セダン「カムリ」を年約2万台生産している。今回の計画が実現すると、ウラジオストクはロシアで2カ所目の生産拠点となる。また、ロシア極東で、日本の自動車メーカーが車両を生産するのは初めてとなる。

\

ロシア政府は開発が遅れていた極東地域の産業復興を進めており、地理的に近い日本のメーカーは有利な立場にある。沿海地方(州都ウラジオストク)のセルゲイ・ダルキン知事は昨年11月、ルノー日産連合が同地方で組立工場の設置を検討していると発言。さらに今年1月にはマツダが極東で現地生産を検討していることを明らかにするなど、日本メーカーの進出に期待を寄せている。ロシア経済発展省は、マツダがソレルスと共同生産することも可能だと指摘した。

\

ソレルスは09年末、極東地域で初の自動車組み立て工場をウラジオストクに開設。現在は韓国・双竜自動車のクロスオーバー車などを生産している。12年には4万台の生産を目指すとしていたが、今回のトヨタとの提携でさらに生産能力を拡張する可能性もある。12年下期には溶接・塗装ラインが完成し、一貫生産体制が整う予定だ。

\