2011/2/16

ロシア

11年の欧州向けガス価格15%上昇=ガスプロム予測

この記事の要約

天然ガス世界最大手のガスプロムは12日、今年の欧州向けガス価格が15%強上昇する見通しを明らかにした。景気回復で需要が増加する傾向にあるためだ。一方、長期供給契約を結ぶ欧州顧客数社については、要望に応えて販売価格を引き下 […]

天然ガス世界最大手のガスプロムは12日、今年の欧州向けガス価格が15%強上昇する見通しを明らかにした。景気回復で需要が増加する傾向にあるためだ。一方、長期供給契約を結ぶ欧州顧客数社については、要望に応えて販売価格を引き下げるほか、契約に柔軟性を持たせる方針だ。

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ガスプロムの予想によると、1,000立方メートル当たりの平均価格は昨年の306米ドルから352ドルに増加する。供給量は1,390億立方メートルから1,520億立方メートルへ拡大し、金融危機が起こった2008年に近い水準(1,588億立方メートル)まで回復する。

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欧州は売上高の52%を占めるガスプロム最大の顧客。同地域での市場シェアは23%に上るという。

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また、ガスプロムは14日、長期契約に基づくガス供給に関し、価格計算におけるスポット価格の比重を高める考えを明らかにした。スポット価格低下を理由に値引きを要求してきた欧州顧客に一歩譲った格好だ。数社については現行契約内で販売価格を引き下げるとしたが、顧客名や具体的な内容は公表していない。

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■液化天然ガスの取引拡大へ

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一方、ガスプロムは、欧州に依存する経営体質の改善に向けて、中国向けパイプラインの構築と、液化天然ガス(LNG)取引の強化に力を入れる方針を明らかにした。国外のLNGプロジェクトに参画し、2030年までに天然ガス資産を年産規模で250億立方メートル増やす。これにより、昨年2%だった世界シェアを2030年までに14%へ引き上げる考えだ。

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