2011/2/16

ロシア

住友と三井、ロシア東部のレアアース開発で交渉

この記事の要約

住友商事と三井物産がロシア東部のサハ共和国におけるレアアース開発に向けて現地当局と交渉中だ。同共和国のボリソフ大統領が11日明らかにした。世界生産の97%を占める中国が輸出を制限するなか、ロシアは開発計画を前倒しして市場 […]

住友商事と三井物産がロシア東部のサハ共和国におけるレアアース開発に向けて現地当局と交渉中だ。同共和国のボリソフ大統領が11日明らかにした。世界生産の97%を占める中国が輸出を制限するなか、ロシアは開発計画を前倒しして市場に乗り出すことを狙っているもようだ。

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交渉では、具体的にニオブとスカンジウムの採掘が対象となっている。連邦鉱物資源庁とサハ共和国は2030年以降に計画していたサハ共和国の鉱山開発を早め、2014年にも採鉱事業免許の入札を開始する方向で調整中だ。主にニオブを埋蔵する鉱区としては、トムトル鉱区がある。

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レアアースは希土類元素17種の総称で、電気自動車・ノート型パソコン用の蓄電池や発光ダイオード、磁石など電子製品の材料となるほか、誘導ミサイル、人工衛星にも用いられる。

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ニオブはタンタルに代わるコンデンサ素材として、また、スカンジウムは構造材料(アルミ合金)、高照度ランプ(メタルハライドランプ)、ニッケル・アルカリ蓄電池の材料として利用が進んでいる。

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米国議会調査局 (CRS)によると、世界のレアアース埋蔵量は推定9,900万トン。このうち中国は36%を占めて1位、ロシアは19%で2位につける。ロシアの生産量はほぼゼロで、今後の成長が見込まれる。

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昨年のレアアース世界需要は12万4,000トン、生産量は13万5,000トンだった。来年の需要は18万トンとみられている。

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レアアースの価格は中国が昨年後半に輸出枠を70%縮小したのが響き、高騰している。同国の輸出制限は現在も続いており、上半期の輸出枠は前年同期35%減の1万4,446トンに設定された。

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