2011/2/16

ロシア

国際大手メーカーが露政府に対話を要求、製薬業界の振興政策で

この記事の要約

ロシア政府が先ごろ発表した国内製薬業界の振興政策に関連し、同国で事業を展開する外国の製薬大手企業は7日、関連省庁の代表者と定期会合を希望する立場を表明した。対話を通じて、市場動向の予測をより確かなものとしたい意向だ。また […]

ロシア政府が先ごろ発表した国内製薬業界の振興政策に関連し、同国で事業を展開する外国の製薬大手企業は7日、関連省庁の代表者と定期会合を希望する立場を表明した。対話を通じて、市場動向の予測をより確かなものとしたい意向だ。また、国際企業の持つ新薬開発ノウハウの有用性をアピールし、政府を国内企業に偏った支援策の修正に動かす意図があるとみられる。

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仏ピエールファーブルのロシア子会社のキストヤコフ社長によると、国内製薬産業の将来をテーマにした専門会議では、参加者の80%以上が政府の市場統制を「コンセプトが誤っており、新たな障壁を作り出す結果となっている」と考えていることが分かった。

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また、米ジョンソン・エンド・ジョンソングループのヤンセン・シラグで現地事業を統括するアダミャン氏は、政府の措置を基本的に正しいとしながらも、限られた資金で政府目標を達成するには国際企業のノウハウを活用する必要があると訴えた。その関連で、新薬開発に対する政府支援を薬効が確かめられた薬剤に限るリスク・シェアリング方式の導入を提案した。

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政府の製薬産業振興政策「Pharma 2020」は◇国内メーカーの競争力強化◇新薬生産を支援◇生産設備の近代化◇医薬品登録における行政手続の簡易化◇教育・研修プログラムの実施――を目指している。また、輸入への依存を弱めるため国産化を進め、10年以内に国産比率を現在の23%から50%へ引き上げる目標だ。

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ロシア医薬品市場は昨年、180億米ドル近くの売上を記録。事業運営の難しさを差し引いても、外国企業にとって魅力は大きい。現地で事業展開する国際製薬会社連盟(AIPM)は2008年に最大10億ユーロ(14億ドル)を現地生産に投資する方針を発表し、すでにいくつかのプロジェクトが動き出している。

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スイスのニコメッドは7,500万ユーロを投じてヤロスラヴリ州に工場を建設中だ。仏サノフィ・アベンティスはオリョール州のインスリン工場を買収した。また、ヤンセン・シラグは抗がん剤生産技術の移管に向けてロシア企業と交渉している事実を明らかにしている。

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