デビットカードやクレジットカードといったペイメントカードの不正利用による被害が増えている。欧州中央銀行(ECB)が2月25日発表した単一ユーロ決済地域(SEPA)内のカード詐欺に関する調査レポートによると、2012年の域内被害総額は前年比14.8%増の13億3,000万ユーロに達し、4年ぶりに拡大へと転じた。カード取引額全体(3兆5,000億ユーロ)に占める不正取引の割合は0.002ポイント増の0.038%となり、2,635ユーロにつき1ユーロが騙し取られた計算となる。
カードの不正利用が最も多かったのはEコマース、テレフォンショッピング、テレビショッピングといったカードを提示しないCNP(=Card Not Present)で、全体に占める割合は4ポイント増の60%に拡大した。店頭のカード読み取り機(POS)は23%(2ポイント減)、現金自動預払機(ATM)は17%(2ポイント減)だった。
国別ではフランスが0.065%で最も高く、2位は英国(0.061%)、3位はルクセンブルク(0.058%)だった。ドイツは0.026%でSEPA平均を下回った。不正利用が最も少なかったのはルーマニアとハンガリー(ともに0.004%)で、リトアニア、ポーランド、スロベニア(ともに0.005%)がこれに次いだ。