世界最高水準の発電効率を誇るガス発電所「Irsching」(バイエルン州中部フォーブルク)は今後も運転を続ける見通しだ。再生可能エネルギー発電の優遇策を受けて採算が合わなくなり、出資者は停止方針を示していたものの、電力供給の不安定化を懸念するバイエルン州政府が稼働継続を強く要請。高圧送電事業者のTennetが運営を一時的に引き継ぐことで合意が成立した。最大の出資者であるエネルギー大手のエーオンが4月27日に明らかにした。
\TennetはIrsching4、5の2基の稼働を2016年まで請け負う。出資者のエーオン、N-Ergie(ニュルンベルク)、Mainova(フランクフルト)、HSE(ダルムシュタット)は年間数千万ユーロを受け取る。同コストは電気料金に上乗せされる予定で、野党から批判が出ている。
\再生可能エネルギー発電は電力生産量が気候に大きく左右され安定しない。2015年には南ドイツの原子力発電所が稼働停止となることもあり、バイエルン州政府はIrschingの運転を続けさせることで、電力の安定供給を確保する意向だ。
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