欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2013/5/2

経済産業情報

テレコムの「定額使い放題見直し」に政府が難色

この記事の要約

電機通信大手ドイツテレコム(以下:テレコム)が固定インターネット接続サービスで、“一定額を払えば使い放題”という従来の方式を見直し、通信量が一定量を超えたユーザーの通信速度を引き下げる計画を打ち出したことを、連邦政府が批 […]

電機通信大手ドイツテレコム(以下:テレコム)が固定インターネット接続サービスで、“一定額を払えば使い放題”という従来の方式を見直し、通信量が一定量を超えたユーザーの通信速度を引き下げる計画を打ち出したことを、連邦政府が批判している。フィリップ・レースラー経済相は同社のオーバーマン社長に宛てた書簡のなかで、「通信網利用の公平性が損なわれる恐れがある」と懸念を表明。イルゼ・アイグナー消費者保護相も「消費者に不利になる」と難色を示した。

\

テレコムは4月26日、大容量データのダウンロードなどを背景に通信容量が限界に達する恐れが出てきたとして、固定インターネットの接続定額料金サービスでデータ通信量が一定量に達した顧客の通信スピードを引き下げる方針を表明した。2016年からの実施を見込む。インターネット回線を使ったデジタルテレビ視聴サービスは対象外としている。

\

テレコムの計画に対しては連邦ネットワーク庁(BNetzA)も料金制度の調査を開始する方針を表明。同社への圧力が高まっている。これに対しテレコムの広報担当者は「動画などを大量に送受信する3パーセントのヘビーユーザーが通信回線容量の30%を利用しており、通信量無制限は実質的に、ごく少数のユーザーを優遇していることになる」と指摘。頻繁に使う利用者の通信量を制限しても公平性を損なわないとの考えを示した。

\