ゲシェフトフューラーの豆知識

「肥満は障害」=欧州司法裁

肥満は解雇訴訟で「障害」と見なされるとの判断を、欧州連合(EU)の欧州司法裁判所(ECJ)が12月18日の判決(訴訟番号:C-354/13)で下し波紋を広げている。これまでは肥満が原因で例えば糖尿病になった場合は障害と認 […]

いじめの慰謝料請求、提訴の時期が遅ければ権利失効か

いじめを受けた社員が会社や上司を相手取って慰謝料請求訴訟を起こす場合、被害を受けた時期と提訴の時期が時間的に大きく隔たっていると請求権が失われるのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が11日に

アルコール依存症のトラック運転手が事故、解雇は妥当か

アルコール依存症のトラック運転手が飲酒が原因で仕事中に交通事故を起こした場合、雇用主は解雇を通告できるのだろうか――。この問題をめぐる係争でベルリン・ブランデンブルク州労働裁判所が8月に判決(訴訟番号:7 Sa 852/

従業員に所属組合を聞くのは違憲か

すべての人は労働・経済条件の維持・改善に向けて組合などの結社を設立することができる。これは基本法(憲法)9条3項に明記された権利であり、この権利を制限したり侵害しようと試みることは違憲となる。では、どの組合に所属している

退職証明書の評価引き上げを被用者は要求できるか

退職する被用者は退職証明書(Arbeitszeugnis)の発行を雇用主に要求できる。これは営業令(GewO)109条1項第1文で保障された権利である。同第2文にはさらに、勤務内容とその期間については最低限、明記されてい

入札提示額のミスを理由に応札を取り消すことは可能か

入札提示額に誤りがあったことを理由に応札を撤回することはできるのだろうか。この問題をめぐる係争で通常裁判の最高裁である連邦司法裁判所(BGH)が11日に判決(訴訟番号: X ZR 32/14)を下したので、ここで取り上げ

事業所委に給与リストの閲覧権はあるか

従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)には報酬スシステムを雇用主と共同で決定する権利がある。これは事業所体制法(BetrVG)87条1項10に定められたルールである(2014年11月12日号を参照)

報酬システムの変更は労使共同決定権の対象

従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)は企業内の様々な案件を雇用主と共同で決定する権利を持つ。これは事業所体制法(BetrVG)87条に記されたルールである。では、雇用主が業績連動型の一時金を固定額

企業年金支給額への異議申し立て期間で最高裁判決

雇用主は退職者に支給する企業年金の引き上げを物価動向を踏まえて3年に1度、検討しなければならない。これは企業年金法(BetrAVG)16条1項で定められたルールである。雇用主はその際、受給者の利害と自社の経済的な状況をは

高齢労働者を有給休暇日数で優遇、不当な差別に当たるか

社員の年齢に応じて待遇に区別を設けることは、そうした措置が適切で、正当な目的にかなっている限り許容される。これは一般平等待遇法(AGG)10条に規定されたルールである。では、高齢社員の年次有給休暇日数を若い社員よりも多く

派遣社員の労災、派遣先に損賠責任あるケースも

雇用主の故意ないし重過失が原因で被用者が勤務中にケガをした場合、労災保険機関はケガに起因した費用の支払いを雇用主に請求できる。これは第7社会法典(SGB7)110条1項に基づくルールである。では、ケガをしたのが派遣社員で

「賃金支給額は不当」として勤務を拒否できるか

賃金の支給額が労使契約の取り決めを下回っているとして、被用者は勤務を拒否することができるのだろうか。この問題をめぐる係争でシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州労働裁判所が昨年10月に判決(訴訟番号:5 Sa 111/13)を

男性パイロットの制帽着用義務は不当か

企業は従業員代表の事業所委員会(Betriebsrat)との合意に基づき従業員に制服着用を義務づけることができる。これは事業所体制法(BetrVG)に基づくルールである。では、男性と女性とで制服規定に違いを設けることは法

勤続年数に応じた解雇予告期間ルールで最高裁判決

民法典(BGB)622条には雇用契約解除の予告期間が定められている。それによると、契約解除日は月末か15日のどちらかとなり、いずれの場合もその4週間前までに通告しなければならない(同条1項)。 ただ、雇用主の側から解約す

統計データによる差別の裏付けで最高裁が判断

間接的な差別があったかどうかをめぐる裁判では、統計データを証拠として採用することができる――。最高裁の連邦労働裁判所(BAG)は18日の判決(8 AZR 753/13)でこの判断を踏襲しつつも、証拠となる統計データは適切

事実上の退職者を解雇できるか

ドイツには高齢者パートタイム(Altersteilzeit)という制度がある。高齢労働者の労働時間を半減するというもので、企業の人員削減の際によく利用される。被用者の側から適用を申請することもできる。 同制度の利用方法は

「女性には見えませんね」は差別発言か

人材募集の応募者が性別や年齢、人種などを理由に採用されなかった場合、一般平等待遇法(AGG)15条に基づき慰謝料や損害賠償の支払いを請求できる。では、面接試験で「女性には見えませんね」と面接官に言われた人は、採用されなか

事業拠点の統廃合、事業所委に差し止め請求権なし

事業拠点を閉鎖したり統廃合する場合、雇用主はその事実を事業所委員会(Betriebsrat)に速やかかつ包括的に伝えたうえで、その措置に伴い従業員が受ける影響の緩和に向けて事業所委と協議しなければならない。これは事業所体

永年勤続報奨金で最高裁判決

勤続期間が永年勤続報奨金の受給条件をわずかに下回る場合、被用者は報奨金を受給できないのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が4月に判決(訴訟番号:10 AZR 635/13)を下したので、ここ

被用者が遺骨から金を横領、雇用主に損賠請求権あり

火葬場の被用者が遺骨から金(きん)を取り私物化していた場合、雇用主は損害賠償を請求できる――。最高裁の連邦労働裁判所(BAG)は21日の判決(訴訟番号: 8 AZR 655/13)でそんな判断を下した。 裁判は遺骨に残る

事業所委・選挙管理委員の解雇で最高裁判断

従業員の代表である事業所委員(Betriebsrat)の選挙を行う場合、それに先立って選挙管理委員会が設置される。選挙管理委員となった被用者は任命された時点から選挙結果が公表されるまでの期間、即時解雇に値する重大な問題を

企業の競争法違反、経営者にも法的責任か?

企業が競争法に違反した場合、経営者にも法的な責任が発生するのだろうか。この問題をめぐる係争で、通常裁判の最高裁である連邦司法裁判所(BGH)が6月に判決(訴訟番号:I ZR 214/12)を下したので、ここで取り上げてみ

解雇合意をめぐり州労裁が判決

勤務証明書の評価引き上げの見返りとして解雇を受け入れた被用者は、その合意を破棄して解雇無効の確認を求める訴訟を起こすことができるのだろうか。この問題をめぐる係争でニーダーザクセン州労働裁判所が3月に判決(訴訟番号: 5

顧客への横柄な対応、処分は妥当か

ドイツで生活していると役所の職員や店員に横柄に対応され不愉快な思いをすることが、日本に比べて多い。では雇用主はそうした職員・社員を処分することができるのだろうか。この問題をめぐる係争でシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州労働

パイロットの身長規制は女性差別

一定基準以上の身長に達していることをパイロットの採用条件とすることは、一般平等待遇法(AGG)で禁じられた差別に当たる――ケルン州労働裁判所が6月の判決(訴訟番号:5 Sa 75/14)でそんな判断を下したので、ここで取

被用者の私的なイベントでけが、労災適用か

勤務先の正規のイベントでけがをした場合、労働災害と認定される。では、被用者が催した勤務先のイベントでけがをしても労災が認められるのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦社会裁判所(BSG)が6月に判決(訴訟番号:

事業所委員の有期雇用契約で最高裁判決

雇用主は理由を提示せずに合計で最大2年間、被用者を有期雇用できる。これは「パートタイムと有期労働契約に関する法律(TzBfG)」14条2項に記されたルールであり、雇用主は理由を示さずに契約更新を拒否することもできる。雇用

ネットの私的利用、度が過ぎれば解雇は妥当

勤務先のパソコンで被用者がインターネットを著しい度合いで私的に利用している場合、雇用主は解雇できる――。シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州労働裁判所が5月に下した判決(訴訟番号:1 Sa 421/13)でそんな判断を示した

軽度の肥満は障害にあらず

軽度の肥満は一般平等待遇法(AGG)で規定する障害に当たらず、採用を拒否されても損害賠償や慰謝料を請求する権利は発生しない――。ダルムシュタット労働裁判所は12日に下した判決(訴訟番号:6 Ca 22/13)でそんな判断

未消化の有給休暇は相続対象=欧州司法裁

雇用関係の終了時点までに消化できなかった年次有給休暇は金銭に換算して退職する被用者に支給される。これは有給休暇法(BUrlG)7条4項に明記された決まりである。ただ、被用者が死亡したために消化できなかった場合はこの権利が

求人対象を女性などに限定は違法か

人種、民族、信条、性別、年齢などを理由に採用や昇進などで差別することは一般平等待遇法(AGG)で違法とされており、違反した企業・公共団体は損害賠償や慰謝料の支払いを義務づけられる。こうした規定は差別を受けやすい外国人や女

同僚につばで即時解雇は妥当

同僚につばを吐きつけた社員を即時解雇することは妥当だ――。ケルン州労働裁判所が昨年12月の判決(訴訟番号:11 Sa 663/12)でそんな判断を示したので、ここで取り上げてみる。 裁判は勤務先の保険代理店から即時解雇を

差別の損賠請求期限で最高裁判決

採用募集などで差別された場合、応募者は募集を行った企業などに損害賠償と慰謝料の支払いを請求できる。これは一般平等待遇法(AGG)15条1項、2項に明記されたルールである。同4項には、同請求は採用拒否の連絡を受けてから2カ

組合員にのみ特別手当支給は認められるか

雇用主は被用者を平等に取り扱わなければならない。これは平等原則から導き出されるルールであり、民法の規定などにも裏付けられている。では、労働組合の組合員にのみ特別手当を支給することはこのルールに抵触するのであろうか。この問

被用者がSNSに不適切な投稿、どんな処分が適切か

フェイスブックなどのソーシャルメディア(SNS)に従業員が不適切な投稿を行うことが日本で問題になっているが、ドイツでも事情は変わらない。では、従業員がそうした行為を行った場合、雇用主はどのような処分を下すべきなのだろうか

万引店員のロッカー検査は許されるか

社員のロッカーを無断で検査することはプライバシーの侵害に当たり違法である。では社員が商品を万引きした疑いのある場合でもロッカー検査を行えないのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が判断を示した

特別休暇取得で年次有給休暇の権利は失われるか

被用者には年次有給休暇の取得権がある。これは有給休暇法(BUrlG)1条に明記された権利である。この権利は◇法的に雇用関係にある◇試用期間が終了している――の2条件を満たす被用者 であれば一部の例外的なケースを除いて発生

年少の応募者の採用は差別か

求人広告の応募者のなかで年齢が低い人を採用することは一般平等待遇法(AGG)で禁じられた高齢者差別に当たるのだろうか――。この問題をめぐる係争でシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州労働裁判所が4月に判決(訴訟番号:3 Sa

事業所委に労働法専門誌の購読権あり

従業員の社内代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)には企業の経費で労働法の専門誌を購読する権利がある――。労働問題の最高裁である連邦労働裁判所(BAG)が3月に下した決定(訴訟番号: 7 ABN 91/13

企業年金引き上げルールで最高裁判決

雇用主は退職者に支給する企業年金の引き上げを物価動向を踏まえて3年に1度検討しなければならない。これは企業年金法(BetrAVG)16条1項で定められたルールである。このルールをめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG

労働安全委員会、事業所委に設置請求権なし

従業員数が20人以上の企業は職場の安全と衛生について協議する労働安全委員会(Arbeitsschutzausschuss=ASA=)を設置しなければならない。これは労働安全法(ASiG)11条第1文に記された義務である。

フラッシュモブ型ストは合憲=憲法裁

サービス労組のVerdiが小売店を対象に行った「フラッシュモブ」型のストをめぐる係争で労働問題の最高裁である連邦労働裁判所(BAG)が合法判決を下したことは、2009年9月30日号掲載の本コラムですでにお伝えした。この判

健康上の理由で夜間勤務の免除を請求できるか

労働契約で夜間勤務が義務づけられている被用者に、健康上の理由を根拠に夜間勤務の免除を請求する権利はあるのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が9日に判決(訴訟番号:10 AZR 637/13)

改築に対し事業所委の共同決定権なし

企業が行う改築に対し従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)は共同決定権を持っているのだろうか。この問題をめぐる係争でヘッセン州労働裁判所が3月に判断を示したので、ここで取り上げてみる(訴訟番号: A

監視ビデオで商品横領を断定、即時解雇は妥当

職場の監視ビデオで従業員の横領が裏付けられる場合、雇用主は即時解雇を通告できる。ハム州労働裁判所は先月に下した判決(訴訟番号:16 Sa 1629/13)でそんな判断を示した。 裁判は飲料販売店の従業員が雇用主を相手取っ

職場への飼い犬連れ込みで最終判決

職場への飼い犬の連れ込みを認めている雇用主が、特定の犬について例外的に禁止することは差別に当たるのだろうか。この問題に関する係争でデュッセルドルフ労働裁判所が禁止できるとの判決を下したことは、昨年9月18日号ですでにお伝

差別的な求人広告でも敗訴しないケースあり

求人の対象を若年層に制限するような広告を出すことは、一般平等待遇法(AGG)で禁じられた高齢者差別に当たる。では、そうした広告を出した企業などに訴訟目的で応募し求職者であっても、差別を根拠に損害賠償を請求できるのだろうか

高齢入社社員への企業年金不支給で最高裁判決

一定年齢以上で入社した社員は企業年金の支給対象から除外できる。これは一般平等待遇法(AGG)10条第3文4項に記されたルールである。では、企業は同年齢を任意に設定することができるのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の

上司・同僚への暴行は即時解雇

病休中の部下が洗車している場面を上司が撮影したことは人格権の侵害に当たるとして、部下が起こした裁判について、このコラムで以前、お伝えした(2013年9月11日号掲載)。この裁判では、仮病で休業した具体的な疑いがある場合、

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