欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/4/7

東欧・ロシア・その他

ハンガリー石油大手のトップを起訴、株取引めぐる贈賄で=クロアチア当局

この記事の要約

クロアチアの汚職・組織犯罪対策局(USKOK)は1日、ハンガリー石油・ガス最大手MOLのヘルナディ最高経営責任者(CEO)を贈賄の罪で在宅起訴したと発表した。同CEOは、MOLによるクロアチア同業INAの経営権取得に際し […]

クロアチアの汚職・組織犯罪対策局(USKOK)は1日、ハンガリー石油・ガス最大手MOLのヘルナディ最高経営責任者(CEO)を贈賄の罪で在宅起訴したと発表した。同CEOは、MOLによるクロアチア同業INAの経営権取得に際して、サナデル元クロアチア首相に賄賂を贈った疑いが持たれている。

MOLは2008年、INAの株式49.1%を取得し、経営権を握った。これをめぐってクロアチア当局は、サナデル首相(当時)が便宜を図って同取引を実現させ、MOLから約1,000万ユーロの賄賂を受け取ったとして、元首相を2010年に逮捕。ヘルナディCEOにも昨年に逮捕状を出していた。

サナデル元首相は同問題で昨年11月に禁固10年の有罪判決を受け、服役中。ヘルナディCEOに関しては、本人が容疑を否定し、ハンガリー政府も身柄拘束要請を拒否していることから、在宅起訴となった。

クロアチアが同問題で厳しい措置に踏み切った背景には、当時に加盟交渉を行っていたEUから、加盟の条件として汚職対策の強化を求められていたことがある。しかし、これがハンガリーとの政治問題に発展し、両国の関係はぎくしゃくした状態が続いている。ハンガリー政府は、ヘルナディCEOの身柄を引き渡さない代わりに、MOLに保有するINA株を返上させることで幕引きを図りたい考えだ。