ゲシェフトフューラーの豆知識

夜勤手当の差別化で最高裁判決

もっぱら夜間勤務に従事する社員の夜勤手当を、勤務シフトの関係で夜間勤務に従事する社員の夜勤手当よりも高く設定することは不当な差別に当たるのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が昨年11月に判決 […]

マウス腱鞘炎は労災か

パソコン作業の結果、マウス腱鞘炎(けんしょうえん)になった就労者は労災保険の適用を受けることができるのだろうか。この問題をめぐる係争で、ヘッセン州社会裁判所が昨年10月に判決(訴訟番号:L 3 U 28/10)を下したの

更生手続き適用企業の解雇予告期間で最高裁判決

会社更生手続きが適用された企業の管財人は被用者を解雇できる。これは倒産法(InsO)113条第1文に記されたルールであり、同第2文には解雇予告期間を最大3カ月とする規定がある。 一方、他の法律や労使協定、労働契約の定めに

収賄社員への企業年金支給減額は妥当か

収賄行為によって会社に損害をもたらした社員の企業年金を減額することは果たして妥当か――。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が昨年11月に判決(訴訟番号:3 AZR 274/12)を下したので、ここで取

ナビの誤作動でトラック損傷、即時解雇は不当

ナビゲーションシステムの誤った指示が原因の1つとなり交通事故を起こしトラックを損傷させた運転手を解雇するのは不当だ――。ハム州労働裁判所は解雇取り消しを求める訴訟でこのほど、こんな判断を示した(訴訟番号: 10 Sa 1

通勤費税控除で最高裁が判断

通勤に要した交通費は所得税の控除対象となる。これは所得税法(EStG)に定められたルールであり、控除額は通勤距離が長いほど高い。このため、通勤距離は自宅と職場を結ぶ最短ルートでなければならない。では、最短距離のルートに有

事業所委に警告文書の閲覧権はあるのか?

従業員を解雇する際は、事業所委員会(Betriebsrat)に理由を説明してその意見を聴取しなければならない。これは事業所体制法(BetrVG)102条1項に明記された規則で、この手続きなしに解雇を通告することはできない

セクハラで即時解雇は妥当

セクハラを行った被用者に対しては即時解雇処分を下すのが妥当なのか、それとも警告処分にとどめておくべきなのか――。この問題をめぐる係争で、ニーダーザクセン州労働裁判所は昨年12月に下した判決(訴訟番号:6 Sa 391/1

職場の駐車場の有料化は不当か

職員に駐車場の利用を無料で認めてきた雇用主が、これを有料制に切り替えることは不当な措置に当たるのだろうか。この問題をめぐる係争でバーデン・ヴュルテンベルク州労働裁判所が1月13日に判決(訴訟番号:1 Sa 17/13)を

採用差別の慰謝料請求、請求先は求人元企業

採用応募者が差別を受けた場合、求人企業に慰謝料を請求できる。これは一般平等待遇法(AGG)15条に記されたルールである。では、企業などが採用募集を仲介人を通して行った場合もこの原則は適用されるのだろうか。最高裁の連邦労働

給与の一部を企業年金に振り替えるルールで最高裁判決

被用者は給与の一部を企業年金の保険料に振り返るよう雇用主に要求することができる。これは企業年金法(BetrAVG)1a条1項第1文に記されたルールである。では雇用主にはこのルールの存在を被用者に伝える義務があるのだろうか

問題行為で解雇の被用者が採用募集に応募、拒否できるか

問題行為を起こして解雇された被用者が元の雇用主の採用募集に応募することは普通ない。だが、そうしたことがあった場合、雇用主は問題行為を理由に採用を拒否できるのだろうか。この問題をめぐる係争でハム州労働裁判所が12月に判決(

オフィスの室温は労使の共同決定権の対象か?

オフィスの室温に関する具体的なルールは職場規則「ASR A 3.5」という行政命令に明記されている。これについては2011年8月11日号に掲載した本コラムですでに取り扱った。では、従業員の代表機関である事業所委員会が室温

製薬工程の社員をエイズ理由で解雇、最高裁が差し戻し

HIV(エイズウイルス)への感染を理由に製薬会社の社員が解雇された訴訟で、第1審と第2審がともに解雇を妥当とする判決を下したことはすでに本コラムでお伝えした(2011年8月10日号、2012年1月18日号)。この係争で最

派遣期間の長期化で正社員に自動昇格か

派遣社員の派遣期間は一時的でなければならない。これは2011年12月1日付で改正された労働者派遣法(AUEG)1条1項第2文に記されたルールである。では、派遣期間が長期化した場合はどうなるのだろうか。この問題をめぐる係争

妊婦の解雇は女性差別、慰謝料支払いを最高裁が命令

妊娠中および出産後4カ月以内の被用者を解雇することはできない。これは母性保護法(MuSchG)9条1項に明記された決まりである。では、MuSchGで解雇から守られている被用者を解雇することは、一般平等待遇法(AGG)で禁

学位喪失の社員、解雇は可能か

ドイツでは学位がものを言う。だから博士号を取得していれば、名刺にはもちろんだが、表札にも明記する人が少なくない。では、仮に学位を被用者が喪失した場合、雇用主はそれを理由に解雇できるのだろうか。この問題をめぐる係争で、デュ

業務用携帯の私的利用、禁止する場合は明確に伝達を

業務用に支給された携帯電話機の私的な利用を禁止されていたにもかかわらず、個人的な通話目的で利用した社員を、雇用主は即時解雇できる。横領に該当するためだ。だが、私的利用の禁止を明確に伝えていない場合は解雇できない。そんな判

企業年金の受給資格制限で最高裁判決

高齢で入社した社員に企業年金を支給しないことは年齢差別を禁じた一般平等待遇法(AGG)に抵触するのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が12日に判決(訴訟番号:3 AZR 356/12)を下し

特別手当の支給規定で最高裁判決

特定の日(Stichtag)に雇用関係が維持されていることを特別手当(Sonderzahlung)の支給条件とするルールを採用する企業は多い。では、特別手当が労働の対価である場合もこのルールを適用できるのだろうか。この問

勤務時間中の居眠り、どんな処分が妥当か

疲れていたり、深酒をしたりでついついしてしまう勤務時間中のうたた寝。そんな社員の姿を見た場合、処分はどんなものが妥当なのだろうか。この問題をめぐる係争でヘッセン州労働裁判所が6月に判決(訴訟番号: 12 Sa 652/1

年長社員の勤務条件優遇は違法な差別

年齢の高い社員の勤務条件を優遇することは一般平等待遇法(AGG)で禁じられた不当な差別に当たり無効だ――。最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が5月に下した判決(訴訟番号:1 AZR 44/12)でこんな判断を下したので、こ

事業移管と従業員の移籍で最高裁判断

事業の権利の取得者が同事業の以前の経営者から従業員を引き取らないと主張することがある。この場合、割りを食った従業員は以前の経営者との間に雇用関係が依然として存在することの確認を求めて提訴できるが、事情によっては以前の経営

選別基準から逸脱した整理解雇は認められるか

経営上の理由で従業員を整理解雇する場合、雇用主と事業所委員会(Betriebsrat)は選別基準(Auswahlrichtlinien)と解雇対象者の名簿リストを共同で作成する。その際、解雇基準とは異なる人選をすることは

会社のメールでスト呼びかけ、雇用主は禁止できるか

会社のメールアカウントを利用して被用者がストライキへの参加を呼びかけることを、雇用主ははたして禁止できるのだろうか――。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が15日に判断を示したので、ここで取り上げてみ

妊娠の事実を知らずに解雇、差別に当たらず

解雇の対象となった女性が妊娠していた場合、解雇は一般平等待遇法(AGG)で禁じられた女性差別に当たり無効となるのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦高等裁判所(BAG)が17日に判決(8 AZR 742/12)を

部品を投げて同僚がけが、損賠責任あり

同僚に部品を投げ渡そうとしてけがをさせた社員に損害賠償責任があるかどうかをめぐる係争で、2審のヘッセン州労働裁判所は8月20日、損賠責任があるとの判断を示した(訴訟番号:13 Sa 269/13)。 \ 裁判は自動車修理

私用電話中のけが、労災は適用されるか

勤務時間中にけがをした場合、原則として労災が適用される。では私用電話中にけがをしても適用対象となるのだろうか。この問題をめぐる係争でダルムシュタット社会裁判所が9月に判決(訴訟番号:L 3 U 33/11)を下したので、

請負契約でも命令関係があれば雇用契約に=最高裁

企業などは業務の一部を外部の企業ないし自営業者に委託することがある。その際、両者は対等の立場で請負契約(Werkvertrag)を結び、請け負った側は契約した業務の達成を義務づけられ、委託を行った側は報酬を支払わなければ

電子証明書の取得を被用者に要求できるか

電子署名に使用する電子証明書をドイツで取得するためには、認証機関に申請を行わなければならない。これは署名法(SigG)で定められたルールであり、申請の際には身元確認のため身分証明書に記された個人データも提出しなければなら

従業員の大量解雇では事業所委との協議が必要

従業員の大量解雇を計画する場合、雇用主は解雇に関する情報を事業所委員会(Betriebsrat)に伝えたうえで、解雇の回避ないし規模縮小の可能性を協議しなければならない。これは解雇保護法(KSchG)17条2項に記された

早期の自主退社、社員に研修費用の返済義務はあるか?

会社の経費で研修を受けた社員が一定期間以内に自主退社した場合は研修費用を全額、会社に返済しなければならない――。そんな取り決めを労働契約に盛り込むケースがある。研修を受けてすぐ退社されたのでは、会社としてはペイしないから

セクハラは必ずしも即時解雇の理由にならず

セクシャルハラスメントは男女差別に当たるとして、一般平等待遇法(AGG)3条4項で禁じられている。同7条3項で「契約義務違反」とも明記されており、雇用主はそうした行為を行った社員を即時解雇することもできる。これについては

職場への飼い犬持ち込み、社員が恐怖を感じれば禁止は妥当

雇用主が職場への飼い犬の持ち込みを認めている場合、特定の犬について例外的に禁止することはできるのだろうか。この問題に関する係争で、デュッセルドルフ労働裁判所が4日に判決(訴訟番号:8 Ca 7883/12)を下したので、

病休中の社員を街中で目撃、撮影は人格権の侵害か

病欠中の社員が街中で体を使った作業を行っているのを目撃した場合、上司などがこれを撮影することは法的に認められるのだろうか。この問題をめぐる係争で、ラインラント・ファルツ州労働裁判所が11日に判決(訴訟番号:10 SaGa

派遣会社でも「社会的選別」は必要

経営上の理由で整理解雇を実施する際は「社会的選別(Sozialauswahl)」というルールが適用される。これは社会的に弱い立場の被用者の雇用を優先するというもので、解雇保護法(KSchG)1条3項にはその具体的基準とし

整理解雇の回避努力義務で最高裁判決

雇用主は経営上の理由で被用者に整理解雇を言い渡す前に、被用者が所属する事業拠点ないし、他の事業拠点で引き続き雇用できないかどうかを検討しなければならない。これは解雇保護法(KSchG)1条2項に記されたルールである。では

障害者の採用選考で最高裁判決

重度障害者を恒常的に5人以上雇用する企業は社内に重度障害者の代表機関(Schwerbehindertenvertretung。略:SchwbV)を設置しなければならない。これは第9社会法典(SGBⅨ)に定められたルールで

事業譲渡で解雇が可能なケースあり

他社ないし他社の事業を買収した企業は買収の時点で買収対象事業で有効だった被用者に対する権利と義務を継承しなければならない。これは民法典(BGB)613a条1項に明記されたルールである。同条4項第1文にはさらに、事業譲渡を

整理一時金、年金受給間近であれば小額でも合法=最高裁

企業が経営上の理由で人員削減を行う場合、高齢社員の整理一時金を他の社員よりも低くすることができる。これについては4月20日号に掲載した本コラムですでにお伝えした。今回は同様の係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が3月2

パート勤務への切り替え、シフト勤務でも請求権あり

被用者が勤務時間の短縮を申請した場合、雇用主は経営上の理由がない限り拒否できない。これは「パートタイムと有期労働契約に関する法律(TzBfG)」8条4項第1文に記されたルールである。このルールに関する係争でケルン州労働裁

高齢者パートタイム、申請は具体的でなければ無効

ドイツには高齢者パートタイム(Altersteilzeit)という制度があり、55歳以上の被用者は労働時間を半減することを雇用主に申請できる。この申請の要件に関する係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が5月に判決(訴訟

解雇訴訟を起こさなければ損賠請求権なし

被用者が解雇取り消し訴訟を起こす場合、解雇通知書が送達されてから3週間以内に提訴しなければならない。これは解雇保護法(KSchG)4条1項に記されたルールであり、期限内に裁判を起こさなければ解雇は法的に有効となる。では、

フルタイムからパート勤務に変更、有給休暇の取り扱いは?

フルタイムの被用者がパートタイム勤務に切り替えた場合、有給休暇の日数をどのように取り扱ったらよいのだろうか。この問題をめぐる係争で欧州司法裁判所(ECJ)が6月に決定(訴訟番号:C‑415/12)を下したので、ここで取り

派遣社員の長期採用は違法

派遣社員を採用する際は、従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)の承認を得なければならない。これは労働者派遣法(AUEG)14条3項第1文に記された決まりである。事業所委は派遣社員の採用が法令や労使協

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