同僚へのストーカー行為、事情次第では即時解雇可
求愛は言葉や行為で表現しなければ相手に伝わらない。だが、相手が嫌がっているにもかかわらずそうした振る舞いを続けるとはストーカー行為となる。では、同僚に対しそうした行為を行った被用者にはどういう措置が妥当なのだろうか。最高 […]
求愛は言葉や行為で表現しなければ相手に伝わらない。だが、相手が嫌がっているにもかかわらずそうした振る舞いを続けるとはストーカー行為となる。では、同僚に対しそうした行為を行った被用者にはどういう措置が妥当なのだろうか。最高 […]
2006年8月に施行された一般平等待遇法(AGG)は職場などにおける差別を防止することを目的としている。これまでは被用者ないし採用募集者が同法を根拠に提訴し、企業などから損害賠償の支払いを受けるケースがもっぱらで、役員に
採用募集で不採用となった応募者にその理由を伝える企業はまずない。言いがかりの根拠を与え、下手をすれば裁判に発展しかねないためだ。だが、不採用者がその理由の説明を求めたにもかかわらず企業が拒否すると、差別の兆候と解釈され提
会社の経営者や上司は部下が犯罪を行うことを防止するために自ら積極的に動かなければならない。これは刑法典(StGB)13条から導き出されたルールである。これに関して最高裁の連邦司法裁判所(BGH)が昨年10月に判決(訴訟番
社員の採用面接を行う場合、企業は応募者に対し交通費などの必要経費を支給しなければならない。これは受託した任務の遂行に必要な経費は委託者が負担するとした民法典670条に基づく義務である。このルールに絡んだ係争でラインラント
空きポストが生じた場合、従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)は新規採用者を社内公募で募集するよう経営者に要求できる。これは事業所体制法(BetrVG)93条に明記されたルールである。最高裁の連邦労
ストライキが行われると争議とは本来関係のない企業もしわ寄せを受けることがある。その場合、被害を受けた企業は損害賠償を請求できるのだろうか。この問題に関する係争でフランクフルト労働裁判所が3月27日に判決(訴訟番号: 10
労災が適用される病気は職業病政令で具体的にリストアップされている。つまり裏返していえば、リストアップされていない病気の場合は労災の認定を受けるのが難しいということである。この問題に絡んだ係争でアーヘン社会裁判所が3月に判
社員の年齢が上がるにつれて年次有給休暇の日数を増やす企業は比較的、多い。一般平等待遇法(AGG)が2006年に施行されてからは、そうした取り決めが労使協定から削除されるケースが増えているが、現在も残している業界や企業は少
労働時間口座を利用する企業は多い。受注の増減などに対処するのに便利なためだ。ところで口座に貯めた時間の加減計算を行う際はどのような基準を適用すべきなのだろうか。この問題について最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が判決(訴訟
病気で会社を休む場合、社員はその旨をまず電話などで伝えたうえで、医師が発行した労働不能証明書(通称ゲルベシャイン)を提出しなければならない。これは「祝日および病欠時の給与支払いに関する法律(EntgFG)」5条1項第1文
企業の人材募集や昇進手続きで差別を受けたと感じた人が一般平等待遇法(AGG)に基づく損害賠償の支払いを要求する場合、不採用/昇進見送りの通知を受け取ってから2カ月以内に文書で請求しなければならない。これはAGG15条4項
従業員の社内代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)の業務に必要な備品は企業が提供しなければならない。パソコンなどのIT機器もそうしたものの1つである。 \ これらの備品の所有権は会社が持っている。では、雇用
企業のホームページを見ると、職員の写真や経歴が掲載されているのを目にすることがある。スタッフが有能であることアピールしたり、親しみを感じさせる効果を狙ってのことだろう。 \ こうした情報がビジネスにプラスに働くのであれば
労使協定の有効期間に協定当事者が闘争的な手段を行使することは禁止されている。これは「平和義務(Friedenspflicht)」と呼ばれる法理で、労働組合のストライキや雇用者側のロックアウトは違法行為となる。フランクフル
職場や求人募集で差別を受けた者が一般平等待遇法(AGG)15条に基づいて損害賠償訴訟を起こす場合は、企業などに損賠支払いを文書で請求してから3カ月以内に提訴しなければならない。これは労働裁判法(ArbGG)61条bに明記
転職前の勤め先で年次有給休暇を取得した被用者が新しい勤め先で同一年に有給休暇を取得することはできない。これは有給休暇法(BUrlG)6条1条に明記されたルールである。では、解雇取り消しを求める訴訟を起こした被用者が係争中
日本ではサービス残業(無給の時間外労働)が当たり前のように行われている。だが、その習慣をドイツに持ち込むと痛い目をみる可能性が高い。最高裁の連邦労働裁判所(BAG)がこの問題に関する係争で判決(訴訟番号:5 AZR 76
障害者を解雇から守る法律は2つある。1つは第Ⅸ社会法典(SGBⅨ)85条で、障害者社会統合局の同意がないと解雇できないと明記されている。もう1つは解雇保護法(KSchG)1条3項で、雇用主は事業所委員会と共同で整理解雇の
従業員を解雇する際は、事業所委員会(Betriebsrat)に理由を説明してその意見を聴取しなければならない。これは事業所体制法(BetrVG)102条1項に明記された規則で、この手続きなしに解雇を通告することはできない
年に6週間以上、病気休業する社員がいる場合、雇用主は本人の同意を得たうえでどうすれば職場に復帰できるかを検討しなければならない。これは第Ⅸ社会法典84条2項の第1文に記されたルールで、「職場復帰マネジメント(Betrie
通勤途中の交通事故には原則的に労災保険が適用される。では、飲酒運転の場合も適用されるのであろうか。ここではバイエルン州労働裁判所が昨年12月に下した判決(訴訟番号:L 2 U 566/10)に即してこの問題をお伝えする。
採用面接の際に応募者は病気の有無を雇用主に伝える必要は必ずしもない。また、雇用主の側から病歴を尋ねることは一般平等待遇法(AGG)で禁じられた不当な差別に当たる。だが、仕事に差し障りのある疾患を持つ場合は事情が異なる。こ
セクシャルハラスメントが起こった場合、加害者はしばしば「単なる冗談のつもりだった」とか「親愛表現のつもりだった」などと弁解する。だが、被害者は不快であったがゆえに訴えたわけだから、こうした主観的な主張は通用しない。ここで
顧客データを私的な目的で利用すれば処分される。これについては誰も異論がないだろう。だが、どの程度の処分が妥当かとなると判断に迷うのではなかろうか。この問題についてマインツ州労働裁判所が昨年11月に判決(訴訟番号:10 S
「パートタイムと有期労働契約に関する法律(TzBfG)」14条によると、雇用主と被雇用者が結ぶ有期雇用契約は契約期間が計2年で最大3回まで更新できる。逆に言うと、この上限を超えた場合は契約期限のない正規の職員として採用し
解雇通告を受けて解雇日を待つばかりとなった被用者を特別手当の支給対象から除外することは果して法的に認められるのだろうか――。この問題をめぐる係争がドイツであり、最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が18日に判決(訴訟番号:1
横領を行った社員は額が小さい場合を除き解雇できる。だが、そうした社員が横領の事実を否認している場合は、十分な証拠を提示しないと解雇できない――。そんな判決をデュッセルドルフ州労働裁判所が17日に下したので、ここで取り上げ
社用車を私的に利用することは雇用主からの非金銭的な便宜とみなされ、課税所得に加算される。加算方法は(1)車両のカタログ記載価格の1%を毎月の課税所得に上乗せする(2)運行記録をつけ、私的目的で走行した距離の分だけを上乗せ
HIV(エイズウイルス)への感染を理由に製薬会社の社員が解雇された訴訟で、第1審のベルリン労働裁判所が解雇を妥当とする判決を下したことは本誌2011年8月10日号でお伝えした。 \ この係争の控訴審(第2審)判決が13日
解雇を通告した被用者がその取り消しを求める訴訟を起こしても、雇用主が係争中に給与を支給することはまずない。解雇が正当と思っているのだから当然である。支払うのは、解雇の無効が裁判で確定したあとになる。この場合、未払いとなっ
運転手として雇用されている者が免許取り消しや停止の処分を受けた場合、雇用主は解雇できる。労働契約で定められた業務を遂行できなくなるためである。では、免停期間が短く業務への影響が比較的小さい場合でも解雇は妥当なのだろうか。
病気で長期間、欠勤する社員が将来的に快復のメドが立たない場合、雇用主は解雇通告できる。問題行動を繰り返す社員の解雇と同様に「予測原則(Prognoseprinzip)」が適用されるのである。では、具体的にどうしたケースで
適切な理由がある場合は宗教や障害、年齢、性別に基づいて異なる待遇をすることが差別に当たらない。これは一般平等待遇法(AGG)20条に明記されたルールである。この問題に関する係争でマインツ州労働裁判所が昨年9月に判決を下し
従業員数20人以上の企業で雇用主が新規採用や配置転換などの人事に関わる措置を行う場合、被用者の社内代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)の同意を得なければならない。これは事業所体制法(BetrVG)99条1
病気で会社を休む場合、社員はその旨をまず電話などで伝えたうえで、医師が発行した労働不能証明書(Arbeitsunfaehigkeitsbescheinigung、通称ゲルベシャイン)を後日、提出しなければならない。提出の
解雇が正当化される重要な根拠の1つとして、被用者が問題行動を今後も繰り返すと予測されるということがある。ドイツの法曹界ではこれを「予測原則(Prognoseprinzip)」などと呼ぶ。では、将来的に問題行動を繰り返す可
解雇権の被委任者が委任状を添付せずに解雇通知を送付した場合、解雇通告を受けた被用者がその受け入れを「速やかに」拒否すると、解雇は無効となる。これは委任状のない法律行為(ここでは解雇通告)に関する民法典(BGB)174条第
他人に損害を与えた場合は故意、過失を問わず賠償を行わなければならない。この原則は労使関係にも適用される。ただ、被用者の賠償義務は軽度の過失であれば全面的に免除され、中度の過失でも部分的に免除される。原則的に全額を賠償しな
通勤途中に事故に遭った場合、原則として労災保険が適用される。だが、通勤や勤務に直接関係のない行動を取ってけがをしたり病気になった場合は労災が認められない。ここではベルリン社会裁判所が10月に下した判決(訴訟番号:S 98
各年度の年次有給休暇は遅くとも翌年3月末までに消化しなければならないとするドイツの有給休暇法(BUrlG)1条の規定を長期間病欠した被用者にも適用することは欧州連合(EU)法に違反するとの判決を、欧州司法裁判所(ECJ)
ドイツでは経営上の理由による整理解雇を労使の協定で禁止している企業がある。何年何月何日までは整理解雇を行わないという時限協定の形で取り決めるのが常である。こうした解雇凍結協定を締結している場合、企業はいかなる事情があって
従業員数15人以上の企業に勤める被用者は近親者を介護する必要がある場合、勤務時間を全面的ないし部分的に免除される。これは介護休暇法(PflegeZG)3条1項に明記された権利である。同4条1項には介護に伴い休暇ないし勤務
退職する被用者は退職証明書の発行を雇用主に要求できる。これは営業令(GewO)109条1項で保障された権利である。証明書には最低、勤務の内容と期間が書かれていなければならないが、被用者は勤務態度と業績についても盛り込むよ
事業を売却する際は、現在の雇用主ないし将来の雇用主が当該事業の従業員に対し◇事業売却の時期◇理由◇従業員が受ける法的・経済的・社会的な影響◇従業員のために講じる措置の4点を文書の形で事前に通知しなければならない。これは社
中国は国外在住の自国民を産業スパイなどとして利用している。高い技術力を持つドイツも当然その対象に入っており、治安当局はスパイ活動の具体例を挙げるなどしてしばしば警鐘を鳴らしている。このためドイツ企業の間でも警戒感は強くな
不法就労者には失業保険を受給する権利もなければ、公的健康保険に加入することもできない。だが、被用者としての権利が全くないかと言うと、そうではない。ここではヘッセン州労働裁判所が1日に下した判決に即してこの問題をお伝えする
企業業績が悪化した場合、ボーナス支給額を削減できることは本誌10月19日号でお伝えした。だが、社内や事業所内でボーナスに関する労使合意(Betriebsvereinbarung)を結んでいる場合はこの原則が必ずしも適用さ
ドイツ語では職業や身分を表す男性名詞の末尾に「-in」をつけると女性名詞となり、その主体も男性でなく女性を意味することになる。例えば先生を意味する「Lehrer」という男性名詞は男の先生を指すため、女性教師の場合は「Le
飲酒運転や運転事故で免停になったとの話を聞くことがある。車で通勤している人には大きな問題だろう。だが、仕事で車を使わねばならない被用者の場合は深刻さの度合いが極めて大きい。ここではヘッセン州労働裁判所が7月に下した判決(